尾上右近の魅力を徹底解説|清元と歌舞伎の二刀流で注目される若手ホープの全貌

役者

2025年秋、歌舞伎座で「義経千本桜」に挑む尾上右近さん。清元と歌舞伎の二刀流という唯一無二の立場で注目を集めています。自らの芸を切り開く若手ホープ尾上右近さんの魅力を最新の活動とともに紹介します。

尾上右近とは?基本プロフィールと経歴

尾上右近は、歌舞伎と清元という二つの世界で活躍する実力者です。伝統を重んじながらも常に挑戦を恐れず、その柔軟な発想と華やかな舞台姿で観客を惹きつけています。本節では彼の歩んできた道のりをたどります。

  • 基本情報(生年月日、出身、屋号など)
  • 芸歴の歩み(子役時代から現在まで)
  • 近年の代表的な出演作品

基本情報(生年月日、出身、屋号など)

尾上右近(二代目)
生年月日:1992年5月28日
出身  :東京都
屋号  :音羽屋(おとわや)
定紋  :重ね扇に抱き柏

「尾上」を名乗ることからもわかる通り、歌舞伎の名門・音羽屋の流れをくむ存在です。幼少期から舞台に親しみ、芸能一家の中で幼いころより経験を積んできた人物です。

芸歴の歩み(子役時代から現在までの概要)

2000年 :初舞台『舞鶴雪月花』での禿役。当時8歳。
2010年代:二枚目・女方の両方をこなす若手として頭角を現す。
2017年 :代役として急遽抜擢された
     「スーパー歌舞伎II『ワンピース』」の
     ルフィ役が注目を集める。
 2018年:清元の名跡「清元栄寿太夫きよもとえいじゅだゆう」を襲名
     歌舞伎俳優と清元を兼ねる“二刀流”の誕生で
     伝統芸能界に新風を吹き込む。

近年の代表的な出演作品

<2024年>
1月歌舞伎座:「京鹿子娘道成寺」
5月歌舞伎座:「幡随長兵衛」雷重五郎
7月歌舞伎座:「裏表太閤記」光秀妹お通/毛利輝元
8月~9月自主公演:第八回「研の會」
10月歌舞伎座:「音菊曽我彩」曽我一万
11月~12月新橋演舞場「朧の森に棲む鬼」キンタ

<2025年>
1月歌舞伎座:「二人椀久」椀屋久兵衛
       「大富豪同心」銀八              
2月博多座 :「朧の森に棲む鬼」キンタ
3月歌舞伎座:「仮名手本忠臣蔵」桃井若狭之助/斧定九郎
4月歌舞伎座:「春興鑑獅子」
6月歌舞伎座:「元禄花見踊」出雲の阿国
       「お祭り」※清元栄寿太夫として出演
7月自主公演:第九回「研の會」
9月南座  :「流白浪燦星」石川五ェ門
10月歌舞伎座:「義経千本桜」
       ※Aプロ「吉野山」は清元栄寿太夫として出演
       (※Aプロは公演終了)
       ※Bプロは佐藤忠信実は源九郎狐として出演

上記は歌舞伎および清元としての主な出演歴ですが、現代劇や映像作品にも意欲的に参加し、表現の幅を広げている点も実力の高さが伺えます。

尾上右近の家系図|三代に渡る芸能界の血筋を解説

尾上右近さんの家系は、歌舞伎・清元・映画の世界をつなぐ芸能一家です。すばらしい血筋に生まれながら父親が歌舞伎俳優ではないという環境で歌舞伎俳優になる道は努力なくして手にできるはずのないものでした。本節では彼自身が今の立場を切り開いてきた背景を理解しやすいよう解説していきます。

  • 曽祖父:六代目尾上菊五郎(歌舞伎界の名優)
  • 母方の祖父:鶴田浩二(昭和の映画スター)
  • 父:七代目清元延壽太夫(清元節家元)
  • 兄:清元斎寿(清元節三味線奏者)
  • 家系図イメージ(図解あり)

曽祖父:六代目尾上菊五郎(歌舞伎界の名優)

六代目尾上菊五郎(1885–1949)は、明治から昭和初期にかけて活躍した名優で、音羽屋の名跡を広めた立役です。写実的な演技で知られ、「生世話物」に新風をもたらしました。尾上右近はこの六代目を高祖とし、音羽屋の芸を精神的支柱として受け継いでいます。

母方の祖父:鶴田浩二(昭和の映画スター)

母方の祖父は、日本映画黄金期を代表する俳優・鶴田浩二(1924–1987)で戦後映画界の名優です。

父:七代目清元延壽太夫(清元節家元)

父の七代目清元延壽太夫は、清元節宗家の現家元であり、邦楽界を代表する浄瑠璃方の一人です。右近さんが歌舞伎に出演する舞台にお父様が清元で出演されることも多く歌舞伎ファンにはたまらない演目となります。

兄:清元斎寿(清元節三味線奏者)

兄の清元斎寿も清元節で三味線奏者として活躍しています。兄弟はしばしば舞台で共演し右近さんが俳優として舞い、お兄さんが三味線を奏でる場面もあり、芸の上でも強い絆が見られます。

家系図イメージ(図解)

この家系図が示す通り、尾上右近さんは「歌舞伎」「清元」「映画」という三つの系譜を融合する稀有な存在です。その一方で歌舞伎俳の元に生まれ幼少期から父のもとで修行を積み父親と共演する形で芸を磨き、主役級のお役を掴んでいくという歌舞伎俳優が多いのも現実です。尾上右近さんが今日女形も立ち役でもできる”兼ねる役者”として歌舞伎で活躍し、清元栄寿太夫としても活躍されているのは本人の努力により勝ち取ったものであり、それが多くのファンからも信頼され愛される大きな要因となっています。
尾上眞秀さんとの歌舞伎やテレビ出演での共演も度々あり、二人には父親は歌舞伎俳優ではないという共通点があります。尾上右近さんは尾上眞秀さんにとっても大切な兄貴分であることが伺えます。今後もお二人の共演や活躍に期待したいですね。

尾上右近「研の會」|若手俳優としての積極的な挑戦

尾上右近さんは、自主公演「けんかい」を主宰し、企画・構成・主演を一手に担っています。この章では、右近さんがどのような理念のもとにこの会を立ち上げ、どのような成果を挙げてきたのかを整理します。伝統のみに寄りかからず自ら舞台を作り上げる姿勢こそ、彼の芸を語るうえで欠かせない要素です。

  • 「研の會」とは何か?
  • 「研の會」を見られるのは第十回まで

「研の會」とは何か?

「研の會」は、尾上右近が2014年に立ち上げた自主公演で、若手俳優として芸を磨く場を自ら創出し、観客と新しい関係を築くことをめざしています。
既存の枠にとらわれず芸を探求するための“実験場”の側面もあり、大劇場では実現しにくい演出やテーマに挑戦することで、自らの芸を再構築し、次世代へとつなぐ試みを行っています。 自主公演の経験が、彼の歌舞伎出演や清元活動にもフィードバックされ、芸全体の厚みを増す要因となっています。

「研の會」を見られるのは第十回まで

2025年5月の第九回「研の會」の記者発表会にて、第十回をもって自主公演を終了することを発表しています。自主公演「研の會」に興味がある方は次回開催を逃さず観劇に行ってみてください。

まとめ

  • 音羽屋と清元宗家の血筋を受け継ぐ、三代にわたる芸能一家の出身。
  • 歌舞伎俳優としては女形と立役に対応する”兼ねる役者”であり、清元との二刀流として、唯一無二の存在となっている。
  • 自主公演「研の會」を通して、古典芸能の可能性や実験的な自己研鑽の場を作り出している。

尾上右近さんの歩みは、伝統に革新を重ねながら新しい形を模索し自己研鑽の積み上げの歴史でもあります。彼の今後の公演や活動を追うことで、歌舞伎の未来がどのように進化していくかを目の当たりにできるでしょう。
ぜひ舞台でその進化の瞬間を体感してください。

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